センナリホオズキ

野の花

2016年03月02日 09:49

センナリホオズキ(千成酸漿) Physalis pubescens L.

ナス科ホオズキ属

(屋久島町永久保2015.10.)

東京は浅草寺の、有名な「ほおずき市」ですが、かつて売り買いされていたのはこのセンナリホオズキだといいます。民間薬として用いられた歴史がある、由緒正しい(??)帰化植物です。
資料によると平安時代より鎮静剤として利用されており、江戸時代には堕胎剤として利用されていたそうです。現在も咳や痰、解熱、冷え性などに効果があるとして、全草を干して煎じて飲む風習がある地方があるようです。
しかしナス科植物の例に漏れず、全草に微量のアルカロイドが含まれています。特に酸漿根(根と茎)の部分には子宮の緊縮作用があるヒストニンが含まれており、妊娠中の女性が服用した場合、流産の恐れがあります。ご注意ください。

ホオズキの仲間は花期が終わった後、萼が伸びてきて液果を包み込みます。よく見るホオズキは熟すと赤くなりますが、センナリホオズキとその仲間たちは赤くならず緑色のままです。また大きさも少し小さめですが、数はずごい!一体いくつつけるのか、大豊作といいたくなるほどで「千成り」の名に納得してしまいます。

以前は「センナリホオズキ」と「ヒロハフウリンホオズキ」は混同されていたそうですが、今では区別がつけられています。
「ヒロハフウリンホオズキ」 : 液果を包む袋(ガク)の脈が紫色~褐色、花の中心の色は茶褐色。
「センナリホオズキ」 : 液果を包む袋の脈も緑。花の中心は濃い紫色。

ホオズキの仲間は園芸ファンの間でも人気植物です。様々なホオズキがありますが、不完全菌のバーティシリウム ダーリエによりナス科植物との連作障害が生じます。ほかのナス科植物はもちろん、同じ種を植え続けてると年々弱っていく傾向があります。毎年ホオズキ市が開催される理由がうかがい知れます。

花の様子。

(屋久島町春牧2015.10.)

葉腋から長めの花柄を出します。花が終わると、萼が伸びてきて液果を包み込みます。

(屋久島町春牧2015.10.)

葉の様子。波状の鋸歯があります。

(屋久島町春牧2015.10.)

林縁の日の当たる場所に生育していました。よく分枝するので1株がとても大きく、大きな群落に見えます。

(屋久島町永久保2015.10.)

<特徴>
・ 熱帯アメリカ原産の帰化植物 
・ 1年草 
・ 花期は夏~秋、5~10月(沖縄では冬でも)
・ 花は葉腋からやや長めの花柄を出し、下向きに1個つける。淡黄色で五角形の杯形。直径は約8mm 。中心に黒紫色の斑紋が入る。やくは黒紫色。
・ 高さ0.2~0.4m。茎はよく分枝し、横に伸びる。ほぼ四角で稜がある。
・ 葉は卵形~広卵形、長さ3~7cm、幅2~5cmで互生する。基部は円く、先はやや尖る。表面は無毛で、縁には波状の鋸歯がある。
・ 萼は短い筒型で浅く5裂する。花後成長し、液果を包む。萼は成長しても緑色である。
・ 果実は液果で直径約1cmの球形、袋状の萼に包まれる。完熟しても緑色のままで、赤くはならない。
・ 分布は本州から九州、特に暖地に多い。
・ 生育地は畑や田の畦、荒れ地、道路端。

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