2016年03月23日
キンゴジカ
キンゴジカ(金午時花) Sida rhombifolia
アオイ科キンゴジカ属

(屋久島町小瀬田2015.9.)
帰化植物というべきか否か、微妙なラインのキンゴジカ。原産は東南アジアで全世界の熱帯から温帯まで広く分布・帰化しています。日本においては種子島屋久島以南に自生し、本州などに帰化している(国内外来種)という考えで、場所によって自生種であったり外来であったりするようです。同じ国内なのに、不思議ですね。一応、帰化植物図鑑には載っています。
英名は「teaplant」、葉をお茶の代用とするところもあるようです。実際民間療法の薬剤として強壮、強心、下熱、下痢止め、消化促進などに効果があるそうです。インドでは茎の皮から繊維をとるために栽培されていました。他にもハワイ島原産キンゴジカ属の「イリマ(学名:Sida fallax)」は花の径約3cmと大きく、オアフ島の島の花でレイにも使われています。世界は広し。
花の様子。

(屋久島町小瀬田2015.9.)
林縁や日当たりのよい道場などでまとまって見ることができます。

(屋久島町小瀬田2015.9.)
環境によって、根元が木質化して低木状になります。

(屋久島町志戸子2015.10.)
種の様子。

(屋久島町志戸子2015.10.)
一つの花で基本10個の種を作ります。(私の観察結果では9~11個程度の誤差がありました。)

<特徴>
・ 東南アジア原産の帰化植物で全世界の熱帯から温帯まで広く帰化。
・ 1年~多年草
・ 花期は夏~秋、8~10月(沖縄では1年中)
・ 花は葉腋から、直径1.5cmの淡黄色の花を1~数個つける。花弁は5枚で杯状に配列。花柄は1~4cmと長い。
・ 高さ0.3~1m。茎は直立し、よく分枝して、低木状になる。
・ 葉は互生、長楕円形~菱状倒卵形、長さ1~5cm。葉先は鈍く、上半分に鋸歯がある。葉裏は灰色の毛を密生する。
・ 根は根は地中深く真っ直ぐ伸びて、草丈が30cm伸びた程度の茎でも、手で引き抜こうとすると両手でも難しい。
・ 果実は10個に分かれ、分果は2本の突起をもつ。
・ 仲間 アメリカキンゴジカ(熱帯アメリカ原産)、ハイキンゴジカ。アメリカキンゴジカは葉の基部が浅い心形で托葉が線形、花柄が1cm以下。果実の分果は5個
・分布は外来として関東地方以西~九州南部以南、自生地として屋久島、種子島~沖縄
・生育地は荒地や道路端
アオイ科キンゴジカ属

(屋久島町小瀬田2015.9.)
帰化植物というべきか否か、微妙なラインのキンゴジカ。原産は東南アジアで全世界の熱帯から温帯まで広く分布・帰化しています。日本においては種子島屋久島以南に自生し、本州などに帰化している(国内外来種)という考えで、場所によって自生種であったり外来であったりするようです。同じ国内なのに、不思議ですね。一応、帰化植物図鑑には載っています。
英名は「teaplant」、葉をお茶の代用とするところもあるようです。実際民間療法の薬剤として強壮、強心、下熱、下痢止め、消化促進などに効果があるそうです。インドでは茎の皮から繊維をとるために栽培されていました。他にもハワイ島原産キンゴジカ属の「イリマ(学名:Sida fallax)」は花の径約3cmと大きく、オアフ島の島の花でレイにも使われています。世界は広し。
花の様子。

(屋久島町小瀬田2015.9.)
林縁や日当たりのよい道場などでまとまって見ることができます。

(屋久島町小瀬田2015.9.)
環境によって、根元が木質化して低木状になります。

(屋久島町志戸子2015.10.)
種の様子。

(屋久島町志戸子2015.10.)
一つの花で基本10個の種を作ります。(私の観察結果では9~11個程度の誤差がありました。)
<特徴>
・ 東南アジア原産の帰化植物で全世界の熱帯から温帯まで広く帰化。
・ 1年~多年草
・ 花期は夏~秋、8~10月(沖縄では1年中)
・ 花は葉腋から、直径1.5cmの淡黄色の花を1~数個つける。花弁は5枚で杯状に配列。花柄は1~4cmと長い。
・ 高さ0.3~1m。茎は直立し、よく分枝して、低木状になる。
・ 葉は互生、長楕円形~菱状倒卵形、長さ1~5cm。葉先は鈍く、上半分に鋸歯がある。葉裏は灰色の毛を密生する。
・ 根は根は地中深く真っ直ぐ伸びて、草丈が30cm伸びた程度の茎でも、手で引き抜こうとすると両手でも難しい。
・ 果実は10個に分かれ、分果は2本の突起をもつ。
・ 仲間 アメリカキンゴジカ(熱帯アメリカ原産)、ハイキンゴジカ。アメリカキンゴジカは葉の基部が浅い心形で托葉が線形、花柄が1cm以下。果実の分果は5個
・分布は外来として関東地方以西~九州南部以南、自生地として屋久島、種子島~沖縄
・生育地は荒地や道路端
2016年03月16日
タチアワユキセンダングサ(シロノセンダングサ他)
タチアワユキセンダングサ Bidens pilosa var.radiata
シロノセンダングサ Bidens pilosa var.minor
キク科センダングサ属

(屋久島町安房2016.2.)
1年を通して直径3cm程度の白い花が次から次へと咲きます。奄美大島や屋久島などでは冬も通して通年いつでも見られる超メジャーな花の1つです。実はこの種、変種がものすごく多い上に交雑までするので、図鑑によって名前や解説が混乱しています。植物分類の先生方もいろんな見解があるようで、アマチュアな私には理解するのがとても大変でした。以下学名も記載するので、ちょっと難しくなります・・・
変種に分類されたものの種類が多く、さらにその別名もたくさんあるうえに文献によって違ったりして。
まず基本種の「コセンダングサ」に始まり、「コシロノセンダングサ」「シロバナノセンダングサ」「シロノセンダングサ」「アワユキセンダングサ」「タチアワユキセンダングサ」「ハイアワユキセンダングサ」「アイノコセンダングサ」「オオバナノセンダングサ」「マルバアワユキセンダングサ」。これらがお互いの別名になったりして、とにかく混迷しています。
分けるための大きなポイントは舌状花(花びら部分)の有無と大きさです。
●舌状花がなければ基本種のコセンダングサ(B. pilosa var.pilosa)
●舌状花が10mm以下の場合はシロバナノセンダングサ(B. albflora)、シロノセンダングサ、コシロノセンダングサ(以上 B. pilosa var.minor)、アワユキセンダングサ(B. pilosa var.bisetosa)、アイノコセンダングサ(B. pilosa var.intermedia)
●舌状花がもう少し大きく、頭花(花全体)の直径が3cmくらいまでの大きさになる場合はオオバナノセンダングサ、タチアワユキセンダングサ、シロノセンダングサ(以上 B. pilosa var.radiata)、ハイアワユキセンダングサ(B. pilosa var.radiata form.decumbens)、マルバアワユキセンダングサ(B. pilosa var.radiata form.indivisa)
(ちなみにこの段階で、シロノセンダングサだけでも「var.minor」の場合と「var.radiata」場合があります。文献によって異なります。)
ここからさらに「痩果(種の部分)に棘が2本か否か」「その他の識別できる特徴(茎が這ってたり葉が単葉だったり)」などで分けられていきます。
奄美大島で最初に学んだときは「シロノセンダングサ」で覚え、のちに「シロノセンダングサ」の別名が「タチアワユキセンダングサ」と聞きました。でも自分で調べてみたところでは、どうやら奄美のも屋久島のも「タチアワユキセンダングサ(もしくはオオバナノセンダングサ)B. pilosa var.radiata」という見方がよさそうです。
ちなみに、通年観察したところ、春夏は舌状花が3cmあったものが、秋冬近づいてくると場所によっては舌状花がほとんど見えなくなってコセンダングサなどと見間違えそうに変化していきました。南国では通年の植物とはいえ、春夏に同定した方が間違いなさそうです。
さてこの仲間が日本にやってきたのは弘化年間(1844~1848)、観賞用として導入されたようです。野外への定着は、1963年に高知県で初記録されてから、西日本方面にあっという間に広がっていきました。ちなみに私の地元秋田の方では、舌状花のないアメリカセンダングサが一般的ですが。
昔から新芽や若葉、若い茎を炒め物や茹でてお浸しにして食べる地域もありますが、野草味がかなり強く、おいしく食べるのは難しそうです。発展途上国ではビタミンEの補給源としても評価されています。沖縄や徳之島など一部地域ではこの花から採った蜂蜜がありますが、これはとても香り高くおいしいので是非多く流通してほしいものです。
外来生物としては環境省の生態系被害防止外来種リストで総合対策外来種に記載されています。また日本生態学会が選定した日本の侵略的外来種ワースト100にも含まれています。
侵入地域ではサトウキビ畑の強害雑草として除草されたり、純群落を作ることから在来草本植物との競合が懸念されています。
有効活用は少数派ですが、武蔵野免疫研究所を中心とする企業グループ「むさしのイミュニティーグループ」が温暖な沖縄県宮古島で清浄栽培し、宮古ビデンス・ピローサ(タチアワユキセンダングサの学名)と呼んで健康茶や健康食品、化粧品などの主要原料として使い、利用促進の研究をしています。
花の様子

(屋久島町安房2015.10.)
葉の様子。対生しています。

(屋久島町安房2015.10.)
種の様子。突き出た2本の棘が動物や衣類に刺さって着き、ほかの場所へ移動して分布を広げていきます。沖縄地方で「サシグサ」と呼ばれる所以です。

(屋久島町小瀬田2015.9.)
屋久島や奄美大島では冬期(12~2月)でも花は咲き続け、通年種子を生産しています。

(屋久島町小瀬田2015.9.)
それゆえ、路傍から空き地までたくましく増え続けます。

(屋久島町小瀬田2015.9.)
旺盛な繁殖力で純群落を形成し通年でたくさんの花をつけるので、蝶や蛾の大切な吸密植物になっています。オオゴマダラが生息する喜界島でもたくさんのタチアワユキセンダングサが生育していました。
屋久島でもこの写真のようなスズメガの仲間やアゲハの仲間など多く飛来しています。

(屋久島町安房2015.10.)
<特徴>
・ 南北アメリカ原産
・ 一年生~多年生草本
・ 花期は3~11月(南方では1年中)
・ 花は筒状花が黄色、舌状花が白色で大きく長さ10mmを超え、直径3cm程度の花をつける。茎の途中から短い枝を出し、総状に1~5個の花つける。
・ 高さ0.3~1m。
・ 葉は5小葉で構成される複葉で多くは対生するが下部で互生することもある。
・ 果実(痩果)は平たい4稜形で頂部に棘を持つ。
・ 分布は九州南部~沖縄(沖縄諸島,先島諸島),小笠原
・ 日当たりのよい原野、路傍、荒地に生育する。
参考までに、難しいセンダングサ属の分類に関してこちらのHPで詳しく紹介されています。
「雑草徘徊記」 http://homepage1.canvas.ne.jp/e_kamasai/kiku/sendangusa/sendangusa.html
シロノセンダングサ Bidens pilosa var.minor
キク科センダングサ属
(屋久島町安房2016.2.)
1年を通して直径3cm程度の白い花が次から次へと咲きます。奄美大島や屋久島などでは冬も通して通年いつでも見られる超メジャーな花の1つです。実はこの種、変種がものすごく多い上に交雑までするので、図鑑によって名前や解説が混乱しています。植物分類の先生方もいろんな見解があるようで、アマチュアな私には理解するのがとても大変でした。以下学名も記載するので、ちょっと難しくなります・・・
変種に分類されたものの種類が多く、さらにその別名もたくさんあるうえに文献によって違ったりして。
まず基本種の「コセンダングサ」に始まり、「コシロノセンダングサ」「シロバナノセンダングサ」「シロノセンダングサ」「アワユキセンダングサ」「タチアワユキセンダングサ」「ハイアワユキセンダングサ」「アイノコセンダングサ」「オオバナノセンダングサ」「マルバアワユキセンダングサ」。これらがお互いの別名になったりして、とにかく混迷しています。
分けるための大きなポイントは舌状花(花びら部分)の有無と大きさです。
●舌状花がなければ基本種のコセンダングサ(B. pilosa var.pilosa)
●舌状花が10mm以下の場合はシロバナノセンダングサ(B. albflora)、シロノセンダングサ、コシロノセンダングサ(以上 B. pilosa var.minor)、アワユキセンダングサ(B. pilosa var.bisetosa)、アイノコセンダングサ(B. pilosa var.intermedia)
●舌状花がもう少し大きく、頭花(花全体)の直径が3cmくらいまでの大きさになる場合はオオバナノセンダングサ、タチアワユキセンダングサ、シロノセンダングサ(以上 B. pilosa var.radiata)、ハイアワユキセンダングサ(B. pilosa var.radiata form.decumbens)、マルバアワユキセンダングサ(B. pilosa var.radiata form.indivisa)
(ちなみにこの段階で、シロノセンダングサだけでも「var.minor」の場合と「var.radiata」場合があります。文献によって異なります。)
ここからさらに「痩果(種の部分)に棘が2本か否か」「その他の識別できる特徴(茎が這ってたり葉が単葉だったり)」などで分けられていきます。
奄美大島で最初に学んだときは「シロノセンダングサ」で覚え、のちに「シロノセンダングサ」の別名が「タチアワユキセンダングサ」と聞きました。でも自分で調べてみたところでは、どうやら奄美のも屋久島のも「タチアワユキセンダングサ(もしくはオオバナノセンダングサ)B. pilosa var.radiata」という見方がよさそうです。
ちなみに、通年観察したところ、春夏は舌状花が3cmあったものが、秋冬近づいてくると場所によっては舌状花がほとんど見えなくなってコセンダングサなどと見間違えそうに変化していきました。南国では通年の植物とはいえ、春夏に同定した方が間違いなさそうです。
さてこの仲間が日本にやってきたのは弘化年間(1844~1848)、観賞用として導入されたようです。野外への定着は、1963年に高知県で初記録されてから、西日本方面にあっという間に広がっていきました。ちなみに私の地元秋田の方では、舌状花のないアメリカセンダングサが一般的ですが。
昔から新芽や若葉、若い茎を炒め物や茹でてお浸しにして食べる地域もありますが、野草味がかなり強く、おいしく食べるのは難しそうです。発展途上国ではビタミンEの補給源としても評価されています。沖縄や徳之島など一部地域ではこの花から採った蜂蜜がありますが、これはとても香り高くおいしいので是非多く流通してほしいものです。
外来生物としては環境省の生態系被害防止外来種リストで総合対策外来種に記載されています。また日本生態学会が選定した日本の侵略的外来種ワースト100にも含まれています。
侵入地域ではサトウキビ畑の強害雑草として除草されたり、純群落を作ることから在来草本植物との競合が懸念されています。
有効活用は少数派ですが、武蔵野免疫研究所を中心とする企業グループ「むさしのイミュニティーグループ」が温暖な沖縄県宮古島で清浄栽培し、宮古ビデンス・ピローサ(タチアワユキセンダングサの学名)と呼んで健康茶や健康食品、化粧品などの主要原料として使い、利用促進の研究をしています。
花の様子

(屋久島町安房2015.10.)
葉の様子。対生しています。

(屋久島町安房2015.10.)
種の様子。突き出た2本の棘が動物や衣類に刺さって着き、ほかの場所へ移動して分布を広げていきます。沖縄地方で「サシグサ」と呼ばれる所以です。

(屋久島町小瀬田2015.9.)
屋久島や奄美大島では冬期(12~2月)でも花は咲き続け、通年種子を生産しています。

(屋久島町小瀬田2015.9.)
それゆえ、路傍から空き地までたくましく増え続けます。

(屋久島町小瀬田2015.9.)
旺盛な繁殖力で純群落を形成し通年でたくさんの花をつけるので、蝶や蛾の大切な吸密植物になっています。オオゴマダラが生息する喜界島でもたくさんのタチアワユキセンダングサが生育していました。
屋久島でもこの写真のようなスズメガの仲間やアゲハの仲間など多く飛来しています。

(屋久島町安房2015.10.)
<特徴>
・ 南北アメリカ原産
・ 一年生~多年生草本
・ 花期は3~11月(南方では1年中)
・ 花は筒状花が黄色、舌状花が白色で大きく長さ10mmを超え、直径3cm程度の花をつける。茎の途中から短い枝を出し、総状に1~5個の花つける。
・ 高さ0.3~1m。
・ 葉は5小葉で構成される複葉で多くは対生するが下部で互生することもある。
・ 果実(痩果)は平たい4稜形で頂部に棘を持つ。
・ 分布は九州南部~沖縄(沖縄諸島,先島諸島),小笠原
・ 日当たりのよい原野、路傍、荒地に生育する。
参考までに、難しいセンダングサ属の分類に関してこちらのHPで詳しく紹介されています。
「雑草徘徊記」 http://homepage1.canvas.ne.jp/e_kamasai/kiku/sendangusa/sendangusa.html
2016年03月09日
キンギンナスビ
キンギンナスビ(金銀茄子) Solanum aculeatissimum
ナス科ナス属

(屋久島町志戸子2015.10.)
恐ろしいばかりに全身トゲ武装した多年生草本です。
金とも銀とも何の関係もありませんが、葉や花の色がどんどん変化していく植物に「キンギン」という名前をつけられることがあります。例えば「金銀花:スイカズラ」や「金銀木:ヒョウタンボク」、「金銀草:キンギンソウ」。キンギンナスビの場合は実の色が最初白色で緑の筋があり、だんだん熟して赤くなる変化から金銀を名をいただいたようです。
別名「錦針茄子:ニシキハリナスビ」とも言われ、いい名前に恵まれました。
北アメリカやオーストラリアなどにも帰化していますが、日本には薬用や観賞用として持ち込まれたようです。根の部分を打撲傷やねん挫などに用いられるそうですが、有毒植物なので一般的ではないとのこと。
タイ料理で「キンギンナスビ」という同じ名前でよく似た実の食材がありますが、それは学名「Solanum melongena Linn.」でインドが原産地の潅木だそうなので、日本で帰化しているキンギンナスビとはちがう種類のようです。食用とされるナス、ピーマン、トウガラシ、トマト、ジャガイモもナス科ですが、野生のナス科の植物には有毒なものが多いので、ご注意ください。
近縁種のワルナスビ(Solanum carolinense)の方が有名かもしれません。よく似たワルナスビとキンギンナスビですが、少し様相が違います。
ワルナスビの花は深くさけないで星形、色は薄紫がかっていることが多いです。また実(液果)は黄色に熟します。見た感じキンギンナスビのとげの方がガク片にまであって激しいように思います。何を恐れてこんなに武装するのか、とても興味深いです。
花の様子

(屋久島町志戸子2015.10.)
葉の様子。表も裏もこれでもかという位とげだらけ。茎もがく片も、とにかくとげとげです。

(屋久島町志戸子2015.10.)
液果の初期は小さなスイカのよう。

(屋久島町志戸子2015.10.)
熟すと赤より朱色という感じの色合いです。

(屋久島町志戸子2015.7.)
こちらは近縁種のワルナスビの花。キンギンナスビに比べて大きく感じます。葉もキンギンナスビより少し柔らかそうな感じ。

(東京都昭島市2014.7.)
とげがすごいので、ある意味無敵。牧場に生えると牛たちも残すのでこんな感じ。もさもさしているのは全部キンギンナスビです。

(屋久島町黒崎2015.11.)
<特徴>
・ 南アメリカ原産
・ 多年生草本
・ 花期は7~9月(南方では1年中?)
・ 花は茎の途中から短い枝を出し、総状に1~5個の花つける。花は白色で、直径約2cm、5裂して皿状に開く。
・ 高さ0.3~1m。茎は多数に枝分かれし、基部は木質化する。全草に鋭い刺が密生する。
・ 葉は互生、卵円形で長さ幅とも5~20cm。縁は3~5に浅~中裂し、両面に剛毛が生え、葉脈上にまばらに刺がある。
・ 果実(液果)は球形で直径2~3cm。初めは白色で緑色の縞があるが、その後赤く熟する。
・ 分布は本州(関東地方南部)~沖縄にかけての太平洋岸
・ 日当たりのよい原野、路傍、荒地に生育する。
ナス科ナス属
(屋久島町志戸子2015.10.)
恐ろしいばかりに全身トゲ武装した多年生草本です。
金とも銀とも何の関係もありませんが、葉や花の色がどんどん変化していく植物に「キンギン」という名前をつけられることがあります。例えば「金銀花:スイカズラ」や「金銀木:ヒョウタンボク」、「金銀草:キンギンソウ」。キンギンナスビの場合は実の色が最初白色で緑の筋があり、だんだん熟して赤くなる変化から金銀を名をいただいたようです。
別名「錦針茄子:ニシキハリナスビ」とも言われ、いい名前に恵まれました。
北アメリカやオーストラリアなどにも帰化していますが、日本には薬用や観賞用として持ち込まれたようです。根の部分を打撲傷やねん挫などに用いられるそうですが、有毒植物なので一般的ではないとのこと。
タイ料理で「キンギンナスビ」という同じ名前でよく似た実の食材がありますが、それは学名「Solanum melongena Linn.」でインドが原産地の潅木だそうなので、日本で帰化しているキンギンナスビとはちがう種類のようです。食用とされるナス、ピーマン、トウガラシ、トマト、ジャガイモもナス科ですが、野生のナス科の植物には有毒なものが多いので、ご注意ください。
近縁種のワルナスビ(Solanum carolinense)の方が有名かもしれません。よく似たワルナスビとキンギンナスビですが、少し様相が違います。
ワルナスビの花は深くさけないで星形、色は薄紫がかっていることが多いです。また実(液果)は黄色に熟します。見た感じキンギンナスビのとげの方がガク片にまであって激しいように思います。何を恐れてこんなに武装するのか、とても興味深いです。
花の様子
(屋久島町志戸子2015.10.)
葉の様子。表も裏もこれでもかという位とげだらけ。茎もがく片も、とにかくとげとげです。
(屋久島町志戸子2015.10.)
液果の初期は小さなスイカのよう。
(屋久島町志戸子2015.10.)
熟すと赤より朱色という感じの色合いです。
(屋久島町志戸子2015.7.)
こちらは近縁種のワルナスビの花。キンギンナスビに比べて大きく感じます。葉もキンギンナスビより少し柔らかそうな感じ。
(東京都昭島市2014.7.)
とげがすごいので、ある意味無敵。牧場に生えると牛たちも残すのでこんな感じ。もさもさしているのは全部キンギンナスビです。
(屋久島町黒崎2015.11.)
<特徴>
・ 南アメリカ原産
・ 多年生草本
・ 花期は7~9月(南方では1年中?)
・ 花は茎の途中から短い枝を出し、総状に1~5個の花つける。花は白色で、直径約2cm、5裂して皿状に開く。
・ 高さ0.3~1m。茎は多数に枝分かれし、基部は木質化する。全草に鋭い刺が密生する。
・ 葉は互生、卵円形で長さ幅とも5~20cm。縁は3~5に浅~中裂し、両面に剛毛が生え、葉脈上にまばらに刺がある。
・ 果実(液果)は球形で直径2~3cm。初めは白色で緑色の縞があるが、その後赤く熟する。
・ 分布は本州(関東地方南部)~沖縄にかけての太平洋岸
・ 日当たりのよい原野、路傍、荒地に生育する。
2016年03月02日
センナリホオズキ
センナリホオズキ(千成酸漿) Physalis pubescens L.
ナス科ホオズキ属

(屋久島町永久保2015.10.)
東京は浅草寺の、有名な「ほおずき市」ですが、かつて売り買いされていたのはこのセンナリホオズキだといいます。民間薬として用いられた歴史がある、由緒正しい(??)帰化植物です。
資料によると平安時代より鎮静剤として利用されており、江戸時代には堕胎剤として利用されていたそうです。現在も咳や痰、解熱、冷え性などに効果があるとして、全草を干して煎じて飲む風習がある地方があるようです。
しかしナス科植物の例に漏れず、全草に微量のアルカロイドが含まれています。特に酸漿根(根と茎)の部分には子宮の緊縮作用があるヒストニンが含まれており、妊娠中の女性が服用した場合、流産の恐れがあります。ご注意ください。
ホオズキの仲間は花期が終わった後、萼が伸びてきて液果を包み込みます。よく見るホオズキは熟すと赤くなりますが、センナリホオズキとその仲間たちは赤くならず緑色のままです。また大きさも少し小さめですが、数はずごい!一体いくつつけるのか、大豊作といいたくなるほどで「千成り」の名に納得してしまいます。
以前は「センナリホオズキ」と「ヒロハフウリンホオズキ」は混同されていたそうですが、今では区別がつけられています。
「ヒロハフウリンホオズキ」 : 液果を包む袋(ガク)の脈が紫色~褐色、花の中心の色は茶褐色。
「センナリホオズキ」 : 液果を包む袋の脈も緑。花の中心は濃い紫色。
ホオズキの仲間は園芸ファンの間でも人気植物です。様々なホオズキがありますが、不完全菌のバーティシリウム ダーリエによりナス科植物との連作障害が生じます。ほかのナス科植物はもちろん、同じ種を植え続けてると年々弱っていく傾向があります。毎年ホオズキ市が開催される理由がうかがい知れます。
花の様子。

(屋久島町春牧2015.10.)
葉腋から長めの花柄を出します。花が終わると、萼が伸びてきて液果を包み込みます。

(屋久島町春牧2015.10.)
葉の様子。波状の鋸歯があります。

(屋久島町春牧2015.10.)
林縁の日の当たる場所に生育していました。よく分枝するので1株がとても大きく、大きな群落に見えます。

(屋久島町永久保2015.10.)
<特徴>
・ 熱帯アメリカ原産の帰化植物
・ 1年草
・ 花期は夏~秋、5~10月(沖縄では冬でも)
・ 花は葉腋からやや長めの花柄を出し、下向きに1個つける。淡黄色で五角形の杯形。直径は約8mm 。中心に黒紫色の斑紋が入る。やくは黒紫色。
・ 高さ0.2~0.4m。茎はよく分枝し、横に伸びる。ほぼ四角で稜がある。
・ 葉は卵形~広卵形、長さ3~7cm、幅2~5cmで互生する。基部は円く、先はやや尖る。表面は無毛で、縁には波状の鋸歯がある。
・ 萼は短い筒型で浅く5裂する。花後成長し、液果を包む。萼は成長しても緑色である。
・ 果実は液果で直径約1cmの球形、袋状の萼に包まれる。完熟しても緑色のままで、赤くはならない。
・ 分布は本州から九州、特に暖地に多い。
・ 生育地は畑や田の畦、荒れ地、道路端。
ナス科ホオズキ属

(屋久島町永久保2015.10.)
東京は浅草寺の、有名な「ほおずき市」ですが、かつて売り買いされていたのはこのセンナリホオズキだといいます。民間薬として用いられた歴史がある、由緒正しい(??)帰化植物です。
資料によると平安時代より鎮静剤として利用されており、江戸時代には堕胎剤として利用されていたそうです。現在も咳や痰、解熱、冷え性などに効果があるとして、全草を干して煎じて飲む風習がある地方があるようです。
しかしナス科植物の例に漏れず、全草に微量のアルカロイドが含まれています。特に酸漿根(根と茎)の部分には子宮の緊縮作用があるヒストニンが含まれており、妊娠中の女性が服用した場合、流産の恐れがあります。ご注意ください。
ホオズキの仲間は花期が終わった後、萼が伸びてきて液果を包み込みます。よく見るホオズキは熟すと赤くなりますが、センナリホオズキとその仲間たちは赤くならず緑色のままです。また大きさも少し小さめですが、数はずごい!一体いくつつけるのか、大豊作といいたくなるほどで「千成り」の名に納得してしまいます。
以前は「センナリホオズキ」と「ヒロハフウリンホオズキ」は混同されていたそうですが、今では区別がつけられています。
「ヒロハフウリンホオズキ」 : 液果を包む袋(ガク)の脈が紫色~褐色、花の中心の色は茶褐色。
「センナリホオズキ」 : 液果を包む袋の脈も緑。花の中心は濃い紫色。
ホオズキの仲間は園芸ファンの間でも人気植物です。様々なホオズキがありますが、不完全菌のバーティシリウム ダーリエによりナス科植物との連作障害が生じます。ほかのナス科植物はもちろん、同じ種を植え続けてると年々弱っていく傾向があります。毎年ホオズキ市が開催される理由がうかがい知れます。
花の様子。

(屋久島町春牧2015.10.)
葉腋から長めの花柄を出します。花が終わると、萼が伸びてきて液果を包み込みます。

(屋久島町春牧2015.10.)
葉の様子。波状の鋸歯があります。

(屋久島町春牧2015.10.)
林縁の日の当たる場所に生育していました。よく分枝するので1株がとても大きく、大きな群落に見えます。

(屋久島町永久保2015.10.)
<特徴>
・ 熱帯アメリカ原産の帰化植物
・ 1年草
・ 花期は夏~秋、5~10月(沖縄では冬でも)
・ 花は葉腋からやや長めの花柄を出し、下向きに1個つける。淡黄色で五角形の杯形。直径は約8mm 。中心に黒紫色の斑紋が入る。やくは黒紫色。
・ 高さ0.2~0.4m。茎はよく分枝し、横に伸びる。ほぼ四角で稜がある。
・ 葉は卵形~広卵形、長さ3~7cm、幅2~5cmで互生する。基部は円く、先はやや尖る。表面は無毛で、縁には波状の鋸歯がある。
・ 萼は短い筒型で浅く5裂する。花後成長し、液果を包む。萼は成長しても緑色である。
・ 果実は液果で直径約1cmの球形、袋状の萼に包まれる。完熟しても緑色のままで、赤くはならない。
・ 分布は本州から九州、特に暖地に多い。
・ 生育地は畑や田の畦、荒れ地、道路端。
2016年02月25日
アメリカネナシカズラ
アメリカネナシカズラ(亜米利加根無し蔓) Cuscuta pentagona
ヒルガオ科ネナシカズラ属

(屋久島町麦生2015.10.)
まるで細い糸をまき散らしたかのようなアメリカネナシカズラ。日本では1970年頃に東京都府中市の多摩川付近で初めて確認されました。現在では北海道から九州までの全国に定着が拡大しています。輸入穀物や緑化用の植物種子に混ざって非意図的(要は勝手にということ)に入ってきたものと考えられています。
寄主植物はキク科、ウリ科、ナス科、シソ科、ヒルガオ科、キョウチクトウ科、セリ科、アオイ科、アブラナ科、ヒユ科、アカザ科、ツルムラサキ科、ユリ科、イネ科など多数。相手構わずに吸盤(寄生根)で絡みついて寄生し生長するつる植物です。畑に入ると作物の生長に悪い影響を与えます。日本では環境省の生態系被害防止外来種リストで総合対策外来種に記載されています。
アメリカネナシカズラの種が発芽すると根を出して伸びて行きますが、宿主にとりついて寄生が成功すると、この根も必要なくなって枯れてしまいます。そしてつるをどんどん伸ばしてからみつき、おおいかぶさり、寄生根(吸盤)を宿主にくっつけて水分や養分を横取りします。この吸盤はかなりしっかりついていて無理にはがすと跡が残ってしまいます。
完全な寄生生活をしているので光合成をしません。葉緑素を持たないので緑色ではなく、葉も退化してしまってありません。とても旺盛に生育するので、時には宿主を枯らせてしまうこともあります。
さらに生命力も強いので、除去しても寄生根の取り残しがあるとそこからどんどん伸びて、数週間であっという間に元通りに広がってしまいます。
種の散布は風や雨などの自然要因の他、動物の胃の中でも生存するとの報告があることから、動物が運ぶこともあるようです。
まるでそうめんをひっくり返したかのような惨状です。

(屋久島町麦生2015.9.)
花の様子。おしべが飛び出しています。寄生の宿主はシロノセンダングサです。

(屋久島町麦生2015.10.)
参考までに。これは普通のネナシカズラ(スナズル)。

(屋久島町栗生2015.10.)
アメリカネナシカズラよりずっと太いつるで、まるでラーメンのよう。少し褐色がかっています。花も穂状になっていて明らかに違います。
ネナシカズラの宿主はオオハマグルマと思われます。寄生根が分かりやすく観察できました。

(屋久島町栗生2015.10.)
<特徴>
・ 原産地は北アメリカ。
・ 1年草。つる性の寄生植物。
・ 花期 8月~10月
・ 花は茎の所々にかたまり直径3mm、がくは先が5裂し先は丸い。花弁も5裂し白色で列片は三角形。花筒内部に5個の鱗片、雄ずい5個、雌ずい1個で花柱2個、柱頭部は球形。
・ 茎は太さ1mm程度、長さは50cm程度だが実際はぐちゃぐちゃにからまっている。色は淡黄~淡黄赤色。寄主にまきつき、小突起状の寄生根(吸盤)でくっつく。
・ 葉はない。
・ 種子は2~3mm、花柱も雄ずいも果時まで残っている。種子の寿命は50年以上。
・ 生育環境は畑地、樹園地、牧草地、路傍、荒地、河川敷、海浜、栽培植物上など
・ 分布はほぼ全国
・ 近縁種「ネナシカズラ」と「マメダオシ」との見分け方は、
●めしべがくっついて1本に見える。茎に紫色の斑がある。花は穂状。→ネナシカズラ
●めしべが離れて2本に見える
○雄しべに柄があって花びらから飛び出している。花は穂状にならず固まっている。
→アメリカネナシカズラ
○雄しべに柄はなく花びらに飛び出さない
→マメダオシ
ヒルガオ科ネナシカズラ属

(屋久島町麦生2015.10.)
まるで細い糸をまき散らしたかのようなアメリカネナシカズラ。日本では1970年頃に東京都府中市の多摩川付近で初めて確認されました。現在では北海道から九州までの全国に定着が拡大しています。輸入穀物や緑化用の植物種子に混ざって非意図的(要は勝手にということ)に入ってきたものと考えられています。
寄主植物はキク科、ウリ科、ナス科、シソ科、ヒルガオ科、キョウチクトウ科、セリ科、アオイ科、アブラナ科、ヒユ科、アカザ科、ツルムラサキ科、ユリ科、イネ科など多数。相手構わずに吸盤(寄生根)で絡みついて寄生し生長するつる植物です。畑に入ると作物の生長に悪い影響を与えます。日本では環境省の生態系被害防止外来種リストで総合対策外来種に記載されています。
アメリカネナシカズラの種が発芽すると根を出して伸びて行きますが、宿主にとりついて寄生が成功すると、この根も必要なくなって枯れてしまいます。そしてつるをどんどん伸ばしてからみつき、おおいかぶさり、寄生根(吸盤)を宿主にくっつけて水分や養分を横取りします。この吸盤はかなりしっかりついていて無理にはがすと跡が残ってしまいます。
完全な寄生生活をしているので光合成をしません。葉緑素を持たないので緑色ではなく、葉も退化してしまってありません。とても旺盛に生育するので、時には宿主を枯らせてしまうこともあります。
さらに生命力も強いので、除去しても寄生根の取り残しがあるとそこからどんどん伸びて、数週間であっという間に元通りに広がってしまいます。
種の散布は風や雨などの自然要因の他、動物の胃の中でも生存するとの報告があることから、動物が運ぶこともあるようです。
まるでそうめんをひっくり返したかのような惨状です。

(屋久島町麦生2015.9.)
花の様子。おしべが飛び出しています。寄生の宿主はシロノセンダングサです。

(屋久島町麦生2015.10.)
参考までに。これは普通のネナシカズラ(スナズル)。
(屋久島町栗生2015.10.)
アメリカネナシカズラよりずっと太いつるで、まるでラーメンのよう。少し褐色がかっています。花も穂状になっていて明らかに違います。
ネナシカズラの宿主はオオハマグルマと思われます。寄生根が分かりやすく観察できました。
(屋久島町栗生2015.10.)
<特徴>
・ 原産地は北アメリカ。
・ 1年草。つる性の寄生植物。
・ 花期 8月~10月
・ 花は茎の所々にかたまり直径3mm、がくは先が5裂し先は丸い。花弁も5裂し白色で列片は三角形。花筒内部に5個の鱗片、雄ずい5個、雌ずい1個で花柱2個、柱頭部は球形。
・ 茎は太さ1mm程度、長さは50cm程度だが実際はぐちゃぐちゃにからまっている。色は淡黄~淡黄赤色。寄主にまきつき、小突起状の寄生根(吸盤)でくっつく。
・ 葉はない。
・ 種子は2~3mm、花柱も雄ずいも果時まで残っている。種子の寿命は50年以上。
・ 生育環境は畑地、樹園地、牧草地、路傍、荒地、河川敷、海浜、栽培植物上など
・ 分布はほぼ全国
・ 近縁種「ネナシカズラ」と「マメダオシ」との見分け方は、
●めしべがくっついて1本に見える。茎に紫色の斑がある。花は穂状。→ネナシカズラ
●めしべが離れて2本に見える
○雄しべに柄があって花びらから飛び出している。花は穂状にならず固まっている。
→アメリカネナシカズラ
○雄しべに柄はなく花びらに飛び出さない
→マメダオシ
2016年02月17日
アメリカハマグルマ
アメリカハマグルマ(亜米利加浜車)Wedelia trilobata
キク科ハマグルマ属

(屋久島町春田浜2015.10.)
英名では Creeping daisy、デイジーの名前を持つこの花は黄色鮮やかで花期も長く、園芸用としてもてはやされそうです、が。
国際自然保護連合(IUCN)の「種の保存委員会」(SSC)で、「世界の外来侵入種ワースト100」に指定されるほど、自然界の観点からは世界中で嫌われ者です。世界的にマングローブや海岸植生といった希少な自然環境に侵入し、在来種や生態系を脅かす存在なのだそうです。
日本でも環境省の生態系被害防止外来種リストの緊急対策外来種に記載されています。1970年代に沖縄の各地に緑化用に導入されたものが広がって野生化してしまいました。
日本には近縁種のクマノギクやハマグルマ(ネコノシタ)が自生しますが、これほどの繁殖力はありません。
別名をミツバハマグルマといい、先が3つにさけた鳥足状の葉は、アメリカハマグルマの最大の特徴です。つるを伸ばしてどんどん広がり、途中節から根を張りながらマット状になって、純群落を作ります。刈り取った断片(節のあたり)から発根して再生するため、草刈りは逆効果になることがあります。抜き取りによる防除が一番良さそうです。
容姿がかわいらしい分、園芸用に持ち込まれれば、そこから尋常ではない繁殖力で分布を拡大する恐れがあります。
花の様子

(屋久島町安房2015.10.)
葉の様子。濃い緑色で鳥足状に3つに裂けています。

(屋久島町安房2015.10.)
つるを伸ばしてどんどん広がっていきます。

(屋久島町安房2015.10.)
大群落はどんどんつるを伸ばし、留まるところを知りません。

(屋久島町春田浜2015.10.)
岩をも覆ってしまいます。

(屋久島町春田浜2015.10.)
1週間程度水につけておいたら根っこが出てきました。

節に限らず、断面付近からしっかり発根しています。

<特徴>
・ 熱帯アメリカ原産(フロリダ州の南部から中央アメリカあたり)
・ つる性多年生草本
・ 花期は6~10月。暖地では周年開花。
・ 花は6~15cmの花茎に単生し、茎先に花径2~3センチの黄色い花(頭状花序)をつける。
・ 高さ15~25cm。茎は粗い剛毛を持ち、地面を這って節から根を出してマット状に広がる。その広がりは5メートルにも及ぶ。
・ 葉は卵形で長さ5~10cm、幅2~5cm。短い柄があり対生、表面に剛毛があってざらつき、光沢もある。先が3つに裂けて鳥足状となり、葉の両端の裂片の先は鋭く尖り、大きな鋸歯がある。
・ 果実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)
・ 日当たりのよい場所を好むが、日陰にも強く時に林床や海岸域にも入り込む。湿潤な場所でも群生する。
・ 風媒花であり、虫媒花であり、種子および葉の根元から発根して栄養繁殖する。とにかく繁殖力が強い。
キク科ハマグルマ属

(屋久島町春田浜2015.10.)
英名では Creeping daisy、デイジーの名前を持つこの花は黄色鮮やかで花期も長く、園芸用としてもてはやされそうです、が。
国際自然保護連合(IUCN)の「種の保存委員会」(SSC)で、「世界の外来侵入種ワースト100」に指定されるほど、自然界の観点からは世界中で嫌われ者です。世界的にマングローブや海岸植生といった希少な自然環境に侵入し、在来種や生態系を脅かす存在なのだそうです。
日本でも環境省の生態系被害防止外来種リストの緊急対策外来種に記載されています。1970年代に沖縄の各地に緑化用に導入されたものが広がって野生化してしまいました。
日本には近縁種のクマノギクやハマグルマ(ネコノシタ)が自生しますが、これほどの繁殖力はありません。
別名をミツバハマグルマといい、先が3つにさけた鳥足状の葉は、アメリカハマグルマの最大の特徴です。つるを伸ばしてどんどん広がり、途中節から根を張りながらマット状になって、純群落を作ります。刈り取った断片(節のあたり)から発根して再生するため、草刈りは逆効果になることがあります。抜き取りによる防除が一番良さそうです。
容姿がかわいらしい分、園芸用に持ち込まれれば、そこから尋常ではない繁殖力で分布を拡大する恐れがあります。
花の様子
(屋久島町安房2015.10.)
葉の様子。濃い緑色で鳥足状に3つに裂けています。

(屋久島町安房2015.10.)
つるを伸ばしてどんどん広がっていきます。

(屋久島町安房2015.10.)
大群落はどんどんつるを伸ばし、留まるところを知りません。

(屋久島町春田浜2015.10.)
岩をも覆ってしまいます。

(屋久島町春田浜2015.10.)
1週間程度水につけておいたら根っこが出てきました。
節に限らず、断面付近からしっかり発根しています。
<特徴>
・ 熱帯アメリカ原産(フロリダ州の南部から中央アメリカあたり)
・ つる性多年生草本
・ 花期は6~10月。暖地では周年開花。
・ 花は6~15cmの花茎に単生し、茎先に花径2~3センチの黄色い花(頭状花序)をつける。
・ 高さ15~25cm。茎は粗い剛毛を持ち、地面を這って節から根を出してマット状に広がる。その広がりは5メートルにも及ぶ。
・ 葉は卵形で長さ5~10cm、幅2~5cm。短い柄があり対生、表面に剛毛があってざらつき、光沢もある。先が3つに裂けて鳥足状となり、葉の両端の裂片の先は鋭く尖り、大きな鋸歯がある。
・ 果実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)
・ 日当たりのよい場所を好むが、日陰にも強く時に林床や海岸域にも入り込む。湿潤な場所でも群生する。
・ 風媒花であり、虫媒花であり、種子および葉の根元から発根して栄養繁殖する。とにかく繁殖力が強い。
2016年02月10日
コガネタヌキマメ
コガネタヌキマメ(黄金狸豆) Crotalaria assamica
マメ科タヌキマメ属

(屋久島町平野2015.9.)
背が大きくてきれいな蝶型の花を咲かせる1年草です。
花が終わった先からマメ科特有のさやをつけ始めますが、これがタヌキのしっぽを思わせるかのような太いさや。そして透き通るような黄緑色、かわいらしさの中に美しさも感じます。熟してくると茶色くなったさやの中で種が外れて、からからマラカスのような音がするようになります。自然の小さなマラカスなんて、子どもがいたらぜひ教えてあげたいものです。(外来種だけど)
レンゲで代表されるマメ科の仲間の花は、空中窒素を固定するという特殊な作用を持つことから、畑で栽培しそのまま鋤き込んで肥料とする目的で利用されます。(このように使われるものは緑肥(りょくひ)といいます。)それが畑から逃げ出し(逸出)分布を広げているため、山の中より道路脇や荒地などで見かけることが多いです。
別名は「コヤシタヌキマメ」や「クロタラリア (500種類ぐらいあるマメ科タヌキマメ属の総称)」
タヌキマメ属のものには、他にもヤエヤマタヌキマメ、アフリカタヌキマメ、アメリカタヌキマメなど、類似種が多いようです。日本在来種にはノーマルな「タヌキマメ」があって、青紫のマメ科特有の蝶型の花が咲き、タヌキのしっぽらしい毛の生えたマメさやをつけます。
青空がよく似合う、日当たりのいい場所に生えています。

(屋久島町平野2015.9.)
花の様子

(屋久島町平野2015.9.)
若い豆果

(屋久島町平野2015.9.)
熟した豆果

(屋久島町平内2015.10.)
裏側ですが葉の様子

(屋久島町平野2015.9.)
豆果の中には20個程度のちょっと歪んだハート型の種が入っていました。

<特徴>
・ 原産地はインド東部の熱帯アジア。学名のassamicaはインド東部のアッサム地方のこと。
・ 1年草
・ 花期 8月~10月
・ 花はマメ科独特の蝶形で鮮やかな黄色。花径は1.5cm~2.5cmほど。茎の先のほうに、15~20個の花を付ける。
・ 草丈は、0.5~2mほど。茎は直立し、茶褐色の軟毛がある。
・ 葉は倒狭卵形~狭楕円形、螺旋状に付き、長さ5~15cmほど、幅2~4cm。下面に茶褐色の軟毛が密生する。
・ 豆果は円筒状の長楕円形で、長さ4~6cm、幅1.5~2cm。無毛。種子は熟すとさやの中ではずれて、振るとカラカラと音がする。
・ 名前の由来:鮮黄色(黄金色)の花を見せるタヌキマメということ。
・ コブトリソウ(Crotalaria juncea)(英名:サンヘンプ) とよく似ている。見分け方は、
コガネタヌキマメ コブトリソウ(英名:サンヘンプ)
葉 単葉 3小葉
葉の幅 幅3~4cm 1~2.5cm
豆果 無毛 毛がある
マメ科タヌキマメ属

(屋久島町平野2015.9.)
背が大きくてきれいな蝶型の花を咲かせる1年草です。
花が終わった先からマメ科特有のさやをつけ始めますが、これがタヌキのしっぽを思わせるかのような太いさや。そして透き通るような黄緑色、かわいらしさの中に美しさも感じます。熟してくると茶色くなったさやの中で種が外れて、からからマラカスのような音がするようになります。自然の小さなマラカスなんて、子どもがいたらぜひ教えてあげたいものです。(外来種だけど)
レンゲで代表されるマメ科の仲間の花は、空中窒素を固定するという特殊な作用を持つことから、畑で栽培しそのまま鋤き込んで肥料とする目的で利用されます。(このように使われるものは緑肥(りょくひ)といいます。)それが畑から逃げ出し(逸出)分布を広げているため、山の中より道路脇や荒地などで見かけることが多いです。
別名は「コヤシタヌキマメ」や「クロタラリア (500種類ぐらいあるマメ科タヌキマメ属の総称)」
タヌキマメ属のものには、他にもヤエヤマタヌキマメ、アフリカタヌキマメ、アメリカタヌキマメなど、類似種が多いようです。日本在来種にはノーマルな「タヌキマメ」があって、青紫のマメ科特有の蝶型の花が咲き、タヌキのしっぽらしい毛の生えたマメさやをつけます。
青空がよく似合う、日当たりのいい場所に生えています。

(屋久島町平野2015.9.)
花の様子

(屋久島町平野2015.9.)
若い豆果

(屋久島町平野2015.9.)
熟した豆果

(屋久島町平内2015.10.)
裏側ですが葉の様子

(屋久島町平野2015.9.)
豆果の中には20個程度のちょっと歪んだハート型の種が入っていました。
<特徴>
・ 原産地はインド東部の熱帯アジア。学名のassamicaはインド東部のアッサム地方のこと。
・ 1年草
・ 花期 8月~10月
・ 花はマメ科独特の蝶形で鮮やかな黄色。花径は1.5cm~2.5cmほど。茎の先のほうに、15~20個の花を付ける。
・ 草丈は、0.5~2mほど。茎は直立し、茶褐色の軟毛がある。
・ 葉は倒狭卵形~狭楕円形、螺旋状に付き、長さ5~15cmほど、幅2~4cm。下面に茶褐色の軟毛が密生する。
・ 豆果は円筒状の長楕円形で、長さ4~6cm、幅1.5~2cm。無毛。種子は熟すとさやの中ではずれて、振るとカラカラと音がする。
・ 名前の由来:鮮黄色(黄金色)の花を見せるタヌキマメということ。
・ コブトリソウ(Crotalaria juncea)(英名:サンヘンプ) とよく似ている。見分け方は、
コガネタヌキマメ コブトリソウ(英名:サンヘンプ)
葉 単葉 3小葉
葉の幅 幅3~4cm 1~2.5cm
豆果 無毛 毛がある