2016年02月17日

アメリカハマグルマ

アメリカハマグルマ(亜米利加浜車)Wedelia trilobata

キク科ハマグルマ属
アメリカハマグルマ
(屋久島町春田浜2015.10.)

英名では Creeping daisy、デイジーの名前を持つこの花は黄色鮮やかで花期も長く、園芸用としてもてはやされそうです、が。

国際自然保護連合(IUCN)の「種の保存委員会」(SSC)で、「世界の外来侵入種ワースト100」に指定されるほど、自然界の観点からは世界中で嫌われ者です。世界的にマングローブや海岸植生といった希少な自然環境に侵入し、在来種や生態系を脅かす存在なのだそうです。
日本でも環境省の生態系被害防止外来種リストの緊急対策外来種に記載されています。1970年代に沖縄の各地に緑化用に導入されたものが広がって野生化してしまいました。

日本には近縁種のクマノギクやハマグルマ(ネコノシタ)が自生しますが、これほどの繁殖力はありません。
別名をミツバハマグルマといい、先が3つにさけた鳥足状の葉は、アメリカハマグルマの最大の特徴です。つるを伸ばしてどんどん広がり、途中節から根を張りながらマット状になって、純群落を作ります。刈り取った断片(節のあたり)から発根して再生するため、草刈りは逆効果になることがあります。抜き取りによる防除が一番良さそうです。
容姿がかわいらしい分、園芸用に持ち込まれれば、そこから尋常ではない繁殖力で分布を拡大する恐れがあります。

花の様子
アメリカハマグルマ
(屋久島町安房2015.10.)

葉の様子。濃い緑色で鳥足状に3つに裂けています。
アメリカハマグルマ
(屋久島町安房2015.10.)

つるを伸ばしてどんどん広がっていきます。
アメリカハマグルマ
(屋久島町安房2015.10.)

大群落はどんどんつるを伸ばし、留まるところを知りません。
アメリカハマグルマ
(屋久島町春田浜2015.10.)

岩をも覆ってしまいます。
アメリカハマグルマ
(屋久島町春田浜2015.10.)

1週間程度水につけておいたら根っこが出てきました。
アメリカハマグルマ

節に限らず、断面付近からしっかり発根しています。
アメリカハマグルマ

<特徴>
・ 熱帯アメリカ原産(フロリダ州の南部から中央アメリカあたり)
・ つる性多年生草本
・ 花期は6~10月。暖地では周年開花。
・ 花は6~15cmの花茎に単生し、茎先に花径2~3センチの黄色い花(頭状花序)をつける。
・ 高さ15~25cm。茎は粗い剛毛を持ち、地面を這って節から根を出してマット状に広がる。その広がりは5メートルにも及ぶ。
・ 葉は卵形で長さ5~10cm、幅2~5cm。短い柄があり対生、表面に剛毛があってざらつき、光沢もある。先が3つに裂けて鳥足状となり、葉の両端の裂片の先は鋭く尖り、大きな鋸歯がある。
・ 果実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの) 
・ 日当たりのよい場所を好むが、日陰にも強く時に林床や海岸域にも入り込む。湿潤な場所でも群生する。
・ 風媒花であり、虫媒花であり、種子および葉の根元から発根して栄養繁殖する。とにかく繁殖力が強い。


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Posted by 野の花 at 11:25│Comments(0)白・黄色奄美大島屋久島
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